いつまでくすぶり続けるの?

みんなが日々悶々とくすぶっている状況から、次の一歩を踏み出してくすぶり続け無い為の情報サイト。 そんな私が一番くすぶっているのは内緒。

病院とクリニックは役割が違うんだよと世間の人に説明したいけど伝わらないからここでつぶやく

先日の話なんですが、いきなり取引先の銀行担当者から連絡が来ます。
 

『うちの行員が追突事故にあったので今から受診させたいのだけど』

 

電話を受けたのは午後の2時過ぎ。

自分で病院受診に来れるということでそこまで重症ということもないでしょう。

ということで整形外科の受付時間は午前中までなので午後2時に来られてもね。
というのは私の心の声。 

 

これがもし救急車でくるのであればウエルカムで受け入れられるのですが、受診受付の時間を過ぎて飛び込み的に病院を受診して、検査をしたいというのは正直そこまでウエルカムではないんですよねー。


あ、間違っても診察を拒否はしていませんからね。
病院の運営上の話として聞いてくださいよ。


そもそも整形外科の先生が少なくなっているのというのもありますし、午前中で予約枠も埋まってしまっているから、外来で飛び込み的に患者さんが来るというのは病院運営上はあまり歓迎すべきものでもありません。

 

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ではどうして患者さんを受け入れたがらないのか。


それは、病院、特に一般病床で急性期の役割を持っている病床では重症度と言われる指標が重視されています。


重症度とは、全体の患者さんに対してどれだけ重症評価の患者さんがいるかです。


この重症度と評価される患者さんには決まった評価基準があって、その中の一つに救急車で運ばれ、そのまま入院になった患者さんで一定の行為ができないと評価する項目に当てはまれば重傷者としてカウントされることになり、この重症度の割合が高くなります。


実は今一般病床の急性期病床を持っている病院では重症度を上げることが一番のテーマになっていて、この重症度が7:1入院基本料といわれる加算を取得している病院では25%以上ないと7:1入院基本料を届け出ることができなくなります。


説明がややこしいですよね。


簡単に言うと、重症の患者さんを多く受け入れないと、入院の単価が下がるので病院の運営が難しくなってしまうのです。


だから、救急車で来る患者さんは重症の可能性が高いので、救急車の患者さんを受けたがります。


この業界のことを知らないと、外来の患者さんが多いと病院って儲けているなーなんて思われるかもしれませんが、病院の収入は入院患者さんからの収入が全体の8割以上です。

外来患者さんからの収入は2割未満。
 

だから、いかに入院患者さんの獲得に力を入れるかが病院運営のポイントになります。


そして、外来から入院に繋がる患者さんって割合的にはそんなに多くなくて、可能性としては救急車の患者さん、クリニックから紹介の患者さん、そして外来の新規の患者さん、最後に外来の再診の患者さんの順番で入院患者さんにつながる可能性が一般的に高いです。


ここで、最初の話しに戻りますが、車の追突事故に遭遇したけど、心配なので検査だけでも受けたいという自分で動ける患者さんの場合は、近くのクリニックを受診して、そこで検査を受けてから、問題があった時に紹介状で病院を受診してもらうのが一番ありがたい流れになります。


そうはいっても、銀行の担当者からは患者さんを紹介したほうがありがたいだろうということで事故に遭遇した行員を病院に向かわせたことだと思うので、依頼があった以上、外来に無理を言って受診はしてもらいましたが、本音は病院に来てもらうよりクリニックのほうがいいですよ。


こういう話って、医療業界の人間であれば診療報酬改定などで敏感に反応する部分ですけど、世間の人には全然無関心なところじゃないですか、クリニックより病院のほうが大きいので安心できるとか未だにそんな大病院信仰があったりします。
 

この流れに歯止めをかけるために紹介状なしに大きい病院を受診する場合には通常の診療費に別途選定療養費といわれる完全自費負担部分が5,000円以上徴収されますが、これが適用される病院ってまだ本当に大病院と言われる病院くらいですからね。


今後の傾向、方向性として、救急以外はまず近くのクリニックを受診して、必要に応じて病院へ紹介する流れであるというのは世の中の人にもっと知っておいてほしいことかなと一人の病院職員として思うところです。


2年に1回行われている診療報酬改定は、決して病院関係者だけが知っていればいい情報ではなくて、病院に掛かる可能性のある人、つまり日本で生活している人が敏感に情報を知っておかないと知らないところで制度が変わっていく可能性はかなり高いです。